写真:大連にて(2019年)
大学の図書館は1~3階あり、3階のみ「Silent zone」として、本棚のない自習スペースのみで構成されている。
先日、そこで勉強していると、トイレに通じる廊下、きゃっきゃきゃっきゃと、女の子のグループがでかい笑い声を飛ばしながら、しゃべりまくっていた。
セパレーションで囲まれてるブーススペースから一人の男子生徒がその集団に近づき、「かなりうざいんだけど」ということを言った。
すると女軍団は「その言葉使いなんとかならないの?」と逆に文句を言いだした。
男子生徒は呆れて(そして表情をこわばらせながら)ブースへ戻った。
彼女たちは廊下のドアしめて、話続けた。
大学でこんなシーンを見せられると思わず、集中力が切れたので、寮に帰って勉強した。
まったく関係ない話から入ってしまったが、以下、チャイナスタディーズ7~9週目の講義内容をまとめる。
中国の権力移譲
中国の政治システムで重要な3つのポストは、
・General Secretary(中央委員会総書記)
・President(国家主席)
・State Central Military Commission(国家中央軍事委員会主席)
+ Party Central Military Commission(党中央軍事委員会主席)
※人民解放軍の国家の統帥権と、党の統帥権
であり、党 > 国家 > 政府という権力構造のため、中央委員会総書記が最も重要。
そのポストは建国以来以下のように移譲されてきた。
1949-76 毛沢東(Mao Zedong)
1976-81 華国鋒(Hua Guofeng)
1982-87 胡耀邦(Hu Yaobang) ※彼の死をきっかけに天安門事件
1987-89 趙紫陽(Zhao Ziyang)
1989-02 江沢民(Jiang Zemin)※鄧小平(Deng Xiaoping)が97年の死去まで権力掌握
2002-12 胡錦涛(Hu Jintao)
2012- 習近平(Xi Jinping)※習近平はトップ就任時、既に40年の政治家経験あり
中国のこれらのポストにはもともと、非公式に七上八下(qi shang ba xia)という慣例があり、67歳以下であれば、これらポストに選出可能であり、68歳以上は退任推奨、となっている。
そして国家主席のポストは最大2期(5年+5年の10年)という制限がある。
しかし、2018年に全人代はその条項を削除し、習近平の任期に上限はなくなった。
※全人代(NPC:National People’s Congress)
また、七上八下の慣例は習近平によって破られている。
米国の場合、権力移譲は即座に完了する。
連邦議会前で、聖書に手を置いて宣言すれば(Presidential Inauguration)、その瞬間から大統領である。
しかし、中国の三職移譲はそうシンプルではない。
例えば江沢民は、総書記(SG:General Secretary)の地位を射止めてから、
・党中央軍事委員会(CPC CMC:Central Military Commission):5か月後
・国家中央軍事委員会(PRC CMC):4か月後(CPC CMC就任から)
・国家主席:36か月後(PRC CMC就任から)
合計45か月かかった。
同様に、胡錦涛の場合、総書記就任後、
・国家主席:4か月後
・国家中央軍事委員会(PRC CMC):18か月後
・党中央軍事委員会(CPC PRC):6か月後
合計28か月。
それが習近平では、すべてを掌握するのにわずか4か月である。
しかもその4か月のラグは、慣例的に
・11月の委員会:総書記
・3月の全人大:国家主席や軍トップ
を決めるために強制的に生ずる、その間の4か月である。
つまり、習近平は実質、即座にすべての権力を握ったことになる。
21世紀の中国
高速鉄道網の総延長が、世界の高速鉄道網の総延長より長いと言われる中国。
その一方で数兆ドルの借金を抱えると言われる中国。
中国経済の奇跡と国の変革、世界金融危機の影響と第12次~第14次五か年計画(12th, 13th and 14th FYPs:2011 - 2025)についてまとめる。
Intensive economy(集約型経済)
→ 効率を高めることで成長するタイプの経済
・技術革新・生産性向上
・高い付加価値
・労働者の教育・技能向上
Extensive economy(粗放型経済)
→ 量を増やすことで成長するタイプの経済
・資本、労働力、土地などより多くの資力を投入
※ 中国の人口は増加の一途だったので、1人の退職者を6人の労働者で支える構図
一般的に小国は国内市場が限られるため、外需、つまり輸出に頼らざるを得ない。
中国のような大きな国家にそれが可能か?
→ 2,000億ドル(中国輸出総額の約10%)の増加は見込めない
※ 既に世界市場も飽和状態(中国の生産能力は過剰)
科学技術の発展(第12次)
1.バランス
投資と輸出への依存 → 国内消費による均衡した成長
安価な労働力 → 自国発の技術革新
グラフ:商品価値と製造連鎖(講義スライドより)
このグラフを見ると、製造(Manufacturing)が最も価値を生み出さないことになる。
そして中国は Middle class trapping(上位層へ上がれず下層化の恐れもある状態に固定化される現象)にハマり、指導層は一般的にこの状態を好む。
以下を目的として教育改革(Reforamtion of education)を実施。
・義務教育の普及と格差是正
・高等教育の拡大で技術・人材育成
・教育の質向上と国際競争力の強化
※ Teacher Status Index(教師地位指数)
→ 中国を100とすると、日本約15、独21、英38、米39、韓国61
R&D(Research & development):研究開発費の対GDP費
2000~2013年の期間で日本は約3%、韓国は2010年頃日本を抜き、4%前後。
米独は3%未満。
中国は約2%まで着実に増加。
GDE(Gross Domestic Expenditure:国内総支出)
消費(C)、投資(I)、政府支出(G)、純輸出(X-M):GDE = C + I + G + X - M
2013年には中国はEUにせまる。日独のはるか上。
技術革新(low-carbon & green innovation)
Patent(特許)出願数は米中企業で競い合っている。
例えばHUAWEIのパテント申請数は非常に多い。
2.Inclusive
・生活水準
所得のGDPに対する比率(the ration of income to GDP)を10%向上
→ 国民の貯蓄率(saving rate)は今日でも50% → 自分の国の信頼欠如
より良い公共サービス(教育、収入、ヘルスケア、年金)
3.Comprehensive
第12次五か年計画は経済、政治、社会、文化圏に改革と刷新が必要とされる。
・村(農村)のレベルでの直接選挙の制度整備を強化
・都市部の社区(コミュニティ)での住民自治の拡大
第12次五か年計画は、より安定した経済再構築を目指したが、失敗
4.Green
Carbon dioxide emission は中国がトップ。
また、大気汚染もひどく、AQI 200~300(大気質指数)だった。
(0~50のレンジがgood)
→ 環境負荷を減らす
※ 環境負荷を度外視し価格競争力⤴ → 消費者による選択
石炭の埋蔵量は300年分 → 70%の電力が石炭による火力発電由来だった
風力発電への莫大な投資と原子力発電の推進。
CO2の原単位(intensities)が17%減少。
非化石燃料の1次エネルギー消費割合は11.4%へ上昇。
第13次五か年計画
講義ではまず YouTube を見せられた。
そして、私のノートはすぐに第14次五か年計画(双循環)のメモとなっている。
中国は、目標GDPを達成できるように、政府による投資を実施するが、14次では初めて目標GDPが与えられなかった。
14次では国家安全保障が重要事項。食料、エネルギー、技術、文化と共に語られる。
12次:構造転換の準備・基礎整備
13次:質重視型経済への本格移行
14次:質の高い成長の深化、カーボンニュートラルや技術自立の具体化
債務
景気循環(ビジネスサイクル)に対して政府は2通りのアプローチが考えられる。
・サイクルに従う
・カンターサイクルを取る
政府は好景気・不景気、両方に介入する。
中国政府による投資は、やめられないという点で麻薬に似ている。
2008年より、1元の投資に、1元以上の借金が発生している 。
総債務はGDPの300%を超える。
もう疲れたのでこの辺で。
第10週以降のまとめへ続く。


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